カッティングプロッターとサインデザイン

 僕の家は崖に立っている。
法規上は一番下の階が半分地下にうまっているので地下一階その上に1、2階があるのだが、2階が道路とつながっていて普段はそこが玄関になっている。
実際家族の間でも各階の呼び方は曖昧だった。2階の居間をメインにとらえる母からかんがえれば地下2層 地下を寝室にしている僕からかんがえれば3階だし。そりゃ感覚が合うはずがない。
最近は下と上っていう方向性だけで話をすることが多い、気がする。

今年(2010)できたART千代田3331のオープニン時に一つの企画の立ち上げ、展示計画を仲間とともにおこなう機会があった。
オープン前日僕達も展示のつめで追い込んでいるときに、3331スタッフや大勢のボランティア他の入居者も最後の大詰め作業をしていた。そんな大詰め作業の中、建築のサインをスタッフがカッティングシートを使って張っていた。時間はオープン前日の夜の9時これから会場全体に貼るという。

僕はシートを貼る際に水平を呼びかけながら。不思議な気分になった。
建築家としてはサイン計画はたしかに仕事範疇ではないかもしれない(けれど安藤さんなど勝手な張り紙の禁止など普通はそこまで含めてデザインをするはずである。)
けれどアートの拠点として。アトリエやギャラリーといった昨日をもった3331ではデザイン料を払うよりも一台のカッティングプロッターを買って今後も自由に場所の名前を変えていく可能性を選択したわけである。単純にデザインはしてあって貼り作業を委託しただけかもしれないし、デザインをできるアーティストやスタッフがいるからかもしれない。展示の設営のことを考えると購入したわけでもあく当たり前にもっていたというだけかもしれない。
けれど完成したときにすでに建物の一部として出来上がっているサインよりも。自分たちで部屋の名前を考えて、名付ける。そんな少しの可能性をもった建築のほうが素敵なんじゃないか?
設計意図とはかけ離れて不動産屋として広告だらけになってしまった建築や、カッティングシートだけで壁を構成されているヨドバシカメラなど、実は意外と近くにあるのかもしれないけれど。僕が建築をつくる時はプロッターをつかったデザインがいいなあ

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